デザイナーの雑記帳

デザインのこと。暮らしのこと。思うこと。

「Suicaのペンギン」には名前がない? キャラクター誕生秘話とその人気の秘密

Suicaペンギンの人気の秘密

Suicaでおなじみの"あの"ペンギンの名前。

実は「ペンギン」とか「Suicaのペンギン」という通称があるだけで、Suicaのキャラクターとしての正式名称はないんです。

「それぞれの生活者が所有するICカードの分身」という観点から、固有の名前はあえて設定していない。

「ペンギン (Suicaキャラクター)」Wikipediaより 

念願のSuicaペンギンのシーズンケーキを食した件から派生しまして、Suicaのキャラクターデザインについて考察してみます。 

"Suicaのペンギン"は絵本から生まれた

ペンギンの生みの親は、絵本作家でイラストレーターの坂崎千春(さかざき ちはる)さん。あの千葉県のマスコットキャラクターのチーバくん、「Ku:nel」のイメージキャラクターのクウネルくん、ダイハツのカクカク・シカジカなど多数の人気キャラクターを手掛けてます。

 

実はSuicaのペンギンは、坂崎さんの絵本のキャラクターがSuica事業に起用されたものです。

98年出版のこちらの絵本からうまれたんですね…!

 

キャンペーンの告知用の挿絵的なイラストとして載せたいというオファーで、正式にPR用のキャラクターデザインを依頼されたわけではなかったそうです。

その後カードの券面に起用されたことで人気が広まり、マスコットキャラクター化しました。

 

その後、絵本のペンギンキャラクターはシリーズ化しています。

▼こちらの絵本シリーズは、お出かけするペンギン兄弟たちを、色を頼りに探していく絵本。色の勉強になったり、◯◯はどこかな?と質問しながら読み進められるので、お子さんにかなりもおすすめです。

実は、この絵本の中ではSuicaペンギンは「スイッピ」というキャラクター名を持って登場します。灰色のちびペンギンは「ちびすけ」

ですが、あえて公には名前を付けないということで進んでるんですね。

名前のないSuicaペンギンが妙に"良い"ワケ

▼こちらは電通報に載っていた坂崎さんら制作チームのインタビュー。ペンギン誕生秘話や名前のない理由について、ヒットのヒントも読み取れてなかなか面白いです。

dentsu-ho.com

さきほどのWikiの説明にもあったように、"生活者ひとりひとりが所有するICカードの分身"という位置づけで、キャラクターにあえて独立した個性を持たせていません。

言われてみると、Suicaペンギンって絶妙に存在感があるようでない。

その辺のゆるキャラのように、しゃべらせたり、着ぐるみで歩かせるキャラクターではないので、主張するような存在感はない。

実際には、かなりの数の人が、毎日Suicaを使います。毎日見るものに対して、ものすごく個性の強いキャラがくっついているとすぐに飽きてしまうし、結構うざったくなるでしょうね… 笑。
例えば「ふなっしーのICカード」があっても、「持ちたい」と思うのは特定のファンに限られてしまうでしょう。

あえてうるさく登場させたり、印象に残さないことで、生活にやんわり寄り添い馴染むキャラクターができあがる。

とてもよく考えられたキャラクターだなと感じます。

Suicaペンギンショップもいい

f:id:kumiko_s:20200627211703j:plain

東京駅構内のショップ「TRANIART」

東京駅構内には、Suicaのペンギングッズのシリーズ「ペンコレ!」を扱うショップが複数あります。

特に丸の内口側のグランスタ改札内にあるTRANIARTというショップは、通るたびに覗いてしまいます。先程ご紹介した絵本も売ってます!

先程もお話した「飽きがこない」「消費されない」キャラクター像が功を奏してるのか、大人気のペンギンですが、グッズのデザインも、大人も使える程よくお洒落かわいい、そして主張しすぎないラインナップがまた良い。

コラボも巧みだし、グッズデザインもよく考えられていて、暮らしに馴染みやすい商品が揃ってます。

意外と新商品がどんどん出てくるので行く度にびっくりします。

www.jreast.co.jp

地元に帰るときは、新幹線口の方にある 猿田彦珈琲の飲めるカフェ兼雑貨屋のSTANDBY TOKYO 東京駅店というお店もチェックしてます。

 

【余談】クロネコヤマトのクロネコ・シロネコも坂崎さんデザイン

話は飛びまして、今回 坂崎さんの過去作品を拝見してて今更知りましたが、ヤマト運輸でおなじみヤマトホールディングスのクロネコ・シロネコのキャラクターデザインも、坂崎さんの手によって28年ぶりに変わってたんですね! 

クロネコヤマトキャラクターデザインはSuicaペンギンの生みの親

ヤマトグループ「クロネコ・シロネコ」キャラクターを28年ぶりに一新!~多くのキャラクターを手掛ける坂崎千春氏が制作~ | ヤマトホールディングス

以前のイラストはなかなかの昭和感がありましたが、いい感じにモダン風に変わってますね。旧イラストの方は独特なタッチが印象に残ってます。小さい頃、CMで見ていたのが懐かしいです。

でも、ヤマトさんにいつもお世話になってますが、あんまり新キャラクター見かけないですね?

あと、どうでもいいのですが、ヤマト運輸のロゴは「子猫を加えた母猫」がモチーフなのに、小さい頃は全く子猫という認識がなく、ずっと「ブタ」だと思いこんでいました…(どうやって)。今もうっかり見間違えます。

 

そんな坂崎さんのキャラクターデザインが語られた一冊はこちら。人気キャラクターをいくつも手掛けてこられたからこそのアイデアが詰まってます。

 

以上、断舎離志向が強すぎるのか掃除機の部品も無意識に捨ててしまうのに、モバイルSuicaに移行しても不要になったSuicaカードが可愛すぎて捨てられない、ハルモ(@harmo_graph)でした。

 

このすばらしくよく考えられたSuicaのペンギンのケーキは、池袋のホテルメトロポリタンでゲットできます。

www.harmog.net